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慢性腎臓病(CKD)

1. あなたの腎臓、大丈夫?知っておきたい「慢性腎臓病(CKD)」の話

腎臓は、私たちの体にとって小さくても頼れるヒーロー。血液をろ過して老廃物を排出し、体の中の水分バランスを整えてくれる大事な役割を担っています。でも、この腎臓が長期間にわたって調子を崩してしまうのが「慢性腎臓病(CKD; Chronic Kidney Disease)」です。
最近の報告では、日本では成人の5人に1人がCKDと言われており、高齢化社会の中でその数は増加傾向にあります。特に生活習慣病との関連が深いため、日頃の健康管理が重要です。CKDを放置すると、腎不全に進行して人工透析や腎移植が必要になる場合もありますが、早期に発見して適切に治療すれば、進行を遅らせることが可能です。

2. CKDのサイン、見逃さないで!

CKDは「静かに進行する病気」と言われます。初期には特に自覚症状がないため、気づいたときには病状が進んでいることも…。以下の症状がある場合は要注意です。

  • 顔や足のむくみ:腎臓が水分をうまく排出できないと、体内に水分が溜まりむくみが出ます。特に朝起きたときに顔が腫れぼったく感じる場合や、靴がきつく感じることがあれば腎臓のサインかもしれません。
  • 体のだるさや疲れやすさ:腎臓が機能低下を起こすと、老廃物が血液中に溜まりやすくなり、全身の倦怠感につながります。
  • 尿の変化:尿の回数や量が変わることがあります。例えば、夜間にトイレに行く回数が増えたり、尿が泡立つのは蛋白尿の兆候です。
  • 高血圧や息切れ:腎臓が血圧調節に関与しているため、腎臓の機能が低下すると高血圧が悪化します。また、貧血の進行に伴い息切れやめまいが出る場合もあります。

これらの症状が日常的に見られる場合、CKDが進行している可能性があります。

3. CKDの原因は?

CKDの原因には、私たちの生活習慣や既存の病気が深く関係しています。代表的な原因を詳しく見ていきましょう。

  • 糖尿病:高血糖の状態が長く続くと、腎臓の微細血管にダメージを与えます。これが糖尿病性腎症を引き起こし、CKDの主要な原因となっています。
  • 高血圧:血圧が高いと腎臓の血管に過剰な負担がかかり、腎機能が低下します。特にコントロールが難しい高血圧の場合はリスクが高まります。
  • 腎炎や腎結石:腎臓の炎症や尿路の閉塞は、腎臓の働きを妨げ、CKDを引き起こします。
  • 遺伝性疾患:多発性嚢胞腎のような遺伝的な要因もCKDの原因となることがあります。
  • 加齢:年齢を重ねるごとに腎臓の機能は自然と低下します。これを加齢性腎症と呼びます。

4. CKDの発見と診断

CKDを早期に発見するためには、以下のような検査が有効です。

  1. 尿検査:蛋白尿や血尿がCKDの初期サインとして現れることがあります。特に蛋白尿の有無は腎臓の状態を知る重要な指標です。
  2. 血液検査:血清クレアチニン値を測定し、eGFR(推算糸球体濾過量)を算出します。eGFRは腎機能の指標で、CKDの進行度を評価します。
  3. 画像診断:超音波検査で腎臓の形やサイズ、結石の有無などを確認します。場合によってはCTやMRIも利用されます。

これらの検査を組み合わせて行うことで、CKDを正確に診断することができます。

5. あなたのCKDのステージは?

一般に、CKDとわかると、上記のeGFR値と蛋白尿(アルブミン尿)の量でステージが決まります。eGFR値が低下すればするほど、蛋白尿(アルブミン尿)が増えれば増えるほど、ステージは進行します。

6. CKDのステージと心臓合併リスク

CKDステージが上がるほど、心疾患をわずらうリスクが高くなります。

7. CKDのステージと腎不全リスク

CKDステージが上がるほど、透析などの腎代替療法をしなければならなくなるリスクが高くなります。

6. CKDと向き合う治療法

CKDは進行性の病気で、進行すればするほど心臓病や透析のリスクが高くなるので腎臓専門医のフォローが必要になります。適切な治療で進行を遅らせることが可能ですし、腎不全の状況によっては社会的なサポートを受けることができる可能性もあり、そのサポートも可能です。当クリニックでは、以下の方法で患者様の腎臓を守るサポートを行っています。

  1. 食事療法:腎臓への負担を減らすため、塩分の摂取を制限します。また、カリウムやリンの調整も重要です。
  2. 薬物療法:血圧を下げる薬(RAS阻害薬)や糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)、腎臓の保護効果がある新しい薬剤も活用します。
  3. 生活習慣の改善:禁煙、適度な運動、ストレス管理が腎機能維持に役立ちます。
  4. 定期的な通院:腎機能をモニタリングし、病状の進行に応じて治療計画を調整します。

さらに、腎機能障害の進行が顕著の方には、将来的に必要になる腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)の説明をさせていただき、その準備をサポートさせていただきます。

7. 腎臓の健康を守るのは、あなた自身!

CKDは早期発見と日々のケアが命運を分ける病気です。ちょっとした不調や健康診断での指摘でも「放置しない」ことが大切です。腎臓に優しい生活を始める第一歩として、まずはお気軽にご相談ください。健康な未来のために、今できることを一緒に見つけましょう!

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