高尿酸血症
1. 高尿酸血症とは?
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が基準値を超えた状態を指します。尿酸は体内でプリン体という物質が分解される際に生成される老廃物です。通常、尿酸は腎臓を通じて尿として体外に排出されますが、何らかの理由で尿酸の産生が増加したり、排出が減少したりすると、血液中に尿酸が過剰に蓄積され高尿酸血症になります。一般的に、尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されますが、放置すると痛風や腎結石などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
2. 高尿酸血症の原因
高尿酸血症の原因は主に以下の3つに分けられます。
- 尿酸の産生過剰: プリン体を多く含む食品(肉類、魚類、内臓類、ビールなど)の過剰摂取や、体内でのプリン体の産生が増加する病気(例: 一部の血液疾患)によって、尿酸の産生が増えます。
- 尿酸の排出低下: 腎臓の機能低下により、尿酸が十分に排出されないことが原因です。慢性腎臓病や一部の薬物(例: 利尿薬)が尿酸の排出を妨げることがあります。
- その他の要因: 遺伝的要因、肥満、ストレス、アルコールの過剰摂取も高尿酸血症を引き起こす要因となります。
3. 高尿酸血症の症状
高尿酸血症そのものには明確な症状がありませんが、高尿酸血症を放置すると、痛風や尿路結石、腎機能障害などの合併症が発生しやすくなります。特に痛風発作は突然の激しい関節痛を引き起こし、特に足の親指の付け根に現れることが多いです。
4. 高尿酸血症の診断
高尿酸血症は、血液検査によって血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた場合、定期的な経過観察が必要です。
5. 高尿酸血症の治療と管理
高尿酸血症の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心です。図のアルゴリズムに沿って、治療を進めることが多いです。
- 生活習慣の改善: プリン体の多い食品やアルコールの摂取を制限し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。適度な運動を取り入れることで、肥満の予防や体重管理を行うことも重要です。
- 薬物療法: 尿酸値を下げる薬(アロプリノール、フェブキソスタットなど)や、尿酸排泄促進薬が使用されます。
高尿酸血症は症状が現れにくい一方で、痛風や腎結石など深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、定期的な尿酸値のチェックが欠かせません。生活習慣の改善と適切な治療が重要になりますので、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な水分摂取を心がけましょう。