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子宮頸がん

1. 子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、女性の子宮の入口である子宮頸部に発生するがんです。子宮頸がんの原因の多くはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによる感染です。HPVは性交渉を通じて感染するため、性的に活発な女性は誰でも感染するリスクがあります。初期段階では症状が現れにくいため、早期発見が難しいことが特徴です。
がんの罹患数予測では、女性の第五位が子宮癌と言われており(図1)、20-30歳代の女性の癌の中で最も多いのは子宮頸癌と報告されています。

2. 子宮頸がんの統計データ

図1 がん罹患数予測

(国立がん研究センターがん情報サービス がん統計予測 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html (Accessed Feb. 13, 2024))

 

1位

2位

3位

4位

5位

男性

前立腺

大腸

肝臓

女性

乳房

大腸

子宮

世界保健機関(WHO)の報告によると、毎年約50万人の女性が子宮頸がんと診断され、そのうち約30万人が命を落としています。日本でも年間約10,000人が子宮頸がんを発症し、約2,800人が亡くなっています。子宮頸がんは、20代から30代の若い女性にも多く見られるため、予防・早期発見が重要です。

3. 子宮頸がんの早期発見の重要性

子宮頸がんは、初期段階で発見されれば治療成功率が非常に高いがんの一つです。定期的な検診を受けることで、前がん状態や初期のがんを早期に発見し、適切な治療を受けることが可能です。検診の頻度は、20歳以上の女性は2年に一度の受診が推奨されています。

4. HPVワクチンとは?

HPVワクチンは、子宮頸がんの主要な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐための予防接種です。ワクチンには3つのタイプがあり、日本では小学6年生から高校1年生の女子に対して定期接種として推奨されています。この中でも、シルガード9が、他のワクチンと比べて多くのHPVの型をカバーしています。

 

サーバリックス

ガーダシル

シルガード9

ワクチンに含まれる

ウイルスの型

16 18

6 11 16 18

6 11 16 18 31 33 45 52 58

定期接種

なし

あり

あり

値段

17,000円/回

17,000円/回、
または公費負担

27,000円/回、
または公費負担

シルガード9を接種される場合、接種スケールはこちらの図の様になっております。
図:シルガード9の一般的なスケジュール(厚労省のホームページより

※1:1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2・3: 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます

5. ワクチンの効果

HPVワクチンは、高い予防効果を持つことが確認されています。研究によると、ワクチン接種により高リスク型HPVの感染率が大幅に減少し、それに伴い子宮頸がんの発症リスクも低下します。ワクチン接種を受けた女性では、子宮頸がんの前駆状態である異形成の発生率が大幅に減少することが報告されています。

6. ワクチン接種の安全性

HPVワクチンの安全性については、多くの研究で確認されています。一般的な副作用は注射部位の痛みや腫れ、軽い発熱などで、これらは通常数日で治まります。まれに重篤な副作用が報告されることもありますが、その頻度は非常に低く、ワクチンの利点がリスクを上回るとされています。

7. ワクチン接種の推奨

HPVワクチンの接種は、子宮頸がんの予防において非常に効果的な手段です。日本では、政府が定期接種として推奨しており、小学校6年生から高校1年生までの女児は無料で接種を受けることができます。接種のタイミングは、初回接種を早期に行うほど効果が高いとされていますが、成人女性でも接種することで予防効果が期待できます。
また、厚労省は、ワクチン接種の機会を逃した1997~2005年度生まれの女性に対し、キャッチアップ接種として無料接種を受けられる機会を設けています。措置期間は2025年3月までです。上記のスケジュールのように、6ヶ月かかります。ただ、注釈にありますように、2回目は1回目から1か月、3回目は2回目から3か月あければ接種可能ですので、最短4ヶ月で3回接種できますが、体調によってワクチン接種が延期になることもあるので、接種をお考えの方はなるべく早めにご対応することをお勧めいたします。詳細は、名古屋市のホームページをご参照ください。

8. まとめ

子宮頸がんは女性にとって深刻な健康問題であり、早期発見と予防が鍵となります。定期検診とHPVワクチン接種は、子宮頸がんの発症リスクを大幅に低減させる効果的な方法です。接種を検討されている患者様は、クリニックにご連絡ください。

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