睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
「いびきがひどいと指摘される」「朝起きても体がだるい」「日中も常に眠い」。これらの症状は、もしかすると睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり(無呼吸)、呼吸が浅くなったり(低呼吸)する病気です。1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI: Apnea Hypopnea Index)が5回以上の場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
たかがいびきと軽視されがちですが、睡眠時無呼吸症候群は日中の生活の質を低下させるだけでなく、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる合併症を引き起こすリスクも高めます。名古屋市西区で40年以上にわたり地域医療に貢献してきたリウゲ内科小田井クリニックでは、糖尿病専門医・腎臓専門医が在籍しており、睡眠時無呼吸症候群から生じるこれらのリスクまで見据えた専門治療を提供しています。
これらに当てはまる方は睡眠時無呼吸症候群に要注意!チェックリスト
以下の項目に一つでも当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。放置せずに、一度当院にご相談ください。
- 家族から大きないびきを指摘される
- いびきが止まった後、大きな呼吸音で再開する
- 日中に強い眠気を感じる
- テストや会議中に居眠りをしてしまいそうになる
- 運転中に眠くなり、ヒヤリとした経験がある
- 朝起きた時に頭痛がする
- 朝起きても体がだるく、疲れが取れない
- 朝の目覚めがすっきりしない
- 勉強や仕事で集中力が続かない
- 夜中に何度もトイレに起きてしまう
睡眠時無呼吸症候群の種類と原因
睡眠時無呼吸症候群は大きく分けて2つのタイプがあります。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなったり、完全に閉塞したりすることで起こります。日本人の睡眠時無呼吸症候群のほとんどがこのタイプです。 主な原因としては、肥満による首周りへの脂肪沈着、扁桃腺肥大、アデノイド、舌根(舌の根元)沈下、下顎が小さい(小顎症)、鼻の病気(慢性鼻炎、鼻中隔湾曲症など)が挙げられます。
中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
脳からの呼吸指令が一時的に途絶えることで呼吸が停止します。心不全や脳卒中など、脳や心臓の疾患が原因となることがあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠中だけでなく寝起きや日中にも様々な形で現れ、日常生活に大きな影響を与えます。
睡眠中の症状:
- 家族から大きないびきを指摘される
- 寝ている間に呼吸が止まっていると言われる
- いびきが止まった後、大きな呼吸音で再開する
- 夜中に何度も目が覚める
- 寝汗をかく
日中の症状:
- 強い眠気を感じる
- 会議中や休憩中に居眠りをしてしまう
- 集中力が続かない、ミスが増える
- 体がだるい、疲れが取れないと感じる
- イライラしたり、気分が落ち込んだりする
寝起きの症状:
- 朝起きた時に頭痛がする
- 口の中がカラカラに渇いている
- 寝たはずなのに熟睡感がない
- 朝の目覚めがすっきりしない
- 夜中に何度もトイレに起きてしまう
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群の診断には、まず問診で症状や既往歴を詳しくお伺いし、診察を行います。その後、必要に応じて専門的な検査を実施します。
簡易検査
当院では、患者様のご負担を軽減するため、まずご自宅で手軽にできる簡易検査をご案内しています。簡易検査機器は検査会社からご自宅にお届けします。就寝時にご自身で装着していただき、睡眠中のいびき、呼吸の状態、血中酸素飽和度などを測定し、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)の目安を調べます。AHIの数値が高ければ、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強まります。
精密検査(PSG検査)
簡易検査の結果、精密検査が必要と判断された場合、連携する専門医療機関にご紹介し、入院して行うPSG(ポリソムノグラフィー)検査を受けていただきます。脳波、眼球運動、心電図、筋電図、呼吸、いびき、血中酸素飽和度など、複数の生体信号を同時に測定し、睡眠の質や正確なAHIの数値、無呼吸・低呼吸の程度をより詳細に診断します。
AHIの数値によって、睡眠時無呼吸症候群の重症度が判断されます。AHIが5回以上15回未満であれば軽症、15回以上30回未満であれば中等症、そして30回以上であれば重症と分類されます。
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療法は、症状の重症度や原因によって異なります。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案し、継続的なサポートを行います。
生活習慣の改善
最も基本的な治療であり、軽症の方にも有効です。肥満の解消(減量)、禁煙、節酒、規則正しい生活習慣などが挙げられます。当院には管理栄養士が在籍しており、食生活の改善や無理のないダイエットについて具体的にアドバイスし、サポートさせていただきます。
CPAP療法(シーパップ療法)
中等症から重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療として、最も効果的で広く行われている治療法です。睡眠中に専用のマスクを装着し、そこから空気を送り込むことで気道が塞がるのを防ぎ、無呼吸やいびきを解消します。当院ではCPAP療法の導入から、装置の操作方法、日常のケア、定期的な効果の確認までサポートを提供し、患者様が安心して治療を継続できるよう努めています。
マウスピース療法(口腔内装置)
軽症から中等症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の方に有効な治療法です。睡眠時に歯科医と連携して作製した専用のマウスピースを装着することで、下顎を前方に固定し、舌根沈下を防ぎ気道を広げます。
この他にも鼻閉が原因の場合は、点鼻薬などによる治療や、耳鼻咽喉科へのご紹介を検討します。扁桃腺肥大など、原因が明確で外科的治療が有効な場合は、専門医療機関にご紹介いたします。
睡眠時無呼吸症候群の合併症
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、様々な健康リスクが高まり、命に関わる深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
高血圧
睡眠中の低酸素状態が交感神経を刺激し、血圧の上昇を引き起こします。既存の高血圧も悪化させます。
糖尿病
睡眠の質の低下や低酸素状態がインスリン抵抗性を高め、血糖コントロールを悪化させます。当院は糖尿病専門医が在籍しており、血糖値の管理を含め、睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関連性について治療を行います。
腎臓病
睡眠時無呼吸症候群による血圧上昇や糖尿病の悪化は、腎臓への負担を増やし、腎臓病の進行を早める可能性があります。当院には腎臓専門医が在籍しており、腎機能の状態まで含めた総合的な診療が可能です。
心臓病
不整脈 狭心症 心筋梗塞 心不全などのリスクが高まります。
脳卒中
脳梗塞 脳出血の発症リスクが増加します。
メタボリックシンドローム
肥満 高血圧 脂質異常症 高血糖といった生活習慣病の悪化を招きます。
リウゲ内科小田井クリニックでは、単に睡眠時無呼吸症候群の症状を和らげるだけでなく、これらの合併症の予防と管理まで含めた医療を提供しています。
当院での睡眠時無呼吸症候群治療
名古屋市西区で40年以上地域医療に貢献してきたリウゲ内科小田井クリニックは、患者様一人ひとりに合わせた睡眠時無呼吸症候群の治療を提供しています。
当院には、糖尿病専門医と腎臓専門医が在籍し、睡眠時無呼吸症候群と関連の深い生活習慣病のリスク管理まで含めた総合的な医療を提供しています。
丁寧な問診と、ご自宅で可能な簡易検査、必要に応じた精密検査連携により、適切かつ迅速な診断を行います。
看護師や管理栄養士も常駐し、肥満解消や食生活改善など、生活習慣の指導を通じて根本的な改善をサポートします。
いびきや日中の眠気でお悩みの方、睡眠時無呼吸症候群と診断された方は、名古屋市西区のリウゲ内科小田井クリニックへご相談ください。私たちは、皆様の健康と安心な生活をサポートしてまいります。
よくあるご質問(FAQ)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関するよくあるご質問にお答えします。
Q. SASは自分で治せますか?
A. SASは、いびきや睡眠中の無呼吸によって睡眠の質が低下し、全身の健康に悪影響を及ぼす病気です。原因に応じた適切な治療が必要です。市販のグッズだけで根本的な改善は難しいため、経験豊富な医師による診断と治療をおすすめします。
Q. 検査はどのくらいの時間がかかりますか?
A. SASの検査には、ご自宅で行う簡易検査と、病院で行う精密検査があります。簡易検査はご自宅で機器を装着して一晩寝るだけで済みます。精密検査は通常一泊の入院が必要ですが、当院では患者さんのご負担を考慮し、可能な限り簡易的な検査や専門機関へのご紹介を提案します。
Q. CPAP装置は自宅で使えるの?
A. はい、CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、ご自宅で就寝時に使用する機器です。当院ではCPAP機器のレンタルを行っており、経験豊富なスタッフが機器の使い方やマスクのフィッティングを丁寧にサポートしますのでご安心ください。
Q. マスクが合わなくても大丈夫ですか?
A. CPAP治療で最も重要なのはマスクが顔にフィットすることです。当院では豊富なCPAPマスクのラインナップから、患者さんに最適なマスクを一緒に見つけます。合わないと感じたら、いつでもご相談ください。
Q. 睡眠時無呼吸症候群の治療は内科で診てもらえますか?
A. はい、診察可能です。SASは高血圧や糖尿病などの生活習慣病と密接に関わるため、当院のような内科クリニックでも専門的に診察・治療を行います。特に当院は糖尿病専門医と腎臓専門医が在籍しており、全身の健康を考慮した総合的な治療を提供します。
文責:リウゲ内科小田井クリニック 副院長 龍華章裕